中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

毛茶(もうちゃ)

読み もうちゃ現地音 マオチャー拼音 máochá別名 荒茶、粗茶、粗製茶、粗制茶、初製茶、初制茶、晒青毛茶、黒毛茶、黑毛茶、紅毛茶、浄茶、净茶、rough tea

摘んだ葉を萎凋・殺青・揉捻・乾燥といった初製の工程まで終えた、精製前の茶。茶類はこの段階で決まっているが、茎や黄葉が混じり、大きさも香りも不ぞろいで、篩い分けや火入れをして製品にする。日本茶の荒茶に当たり、茶農が茶商や工場に売るときの単位でもある。

摘んだ葉を乾燥まで仕上げた、精製(せいせい)前の茶のことです。国家標準の茶葉加工用語(GB/T 40633)は、茶の加工を初製(しょせい)・精製・再加工の三段階に分け、生葉から毛茶を作るまでを初製、毛茶を製品(成品茶)にする作業を精製と呼んでいます。「毛」は「粗い、仕上げていない」という意味で、台湾では粗製茶(そせいちゃ)とも言います。日本茶の荒茶(あらちゃ)と同じ位置づけの言葉です。

毛茶の状態

殺青(さっせい)做青(さくせい)渥堆(あくたい)といった、その茶が何茶になるかを決める工程は、毛茶ができるまでにすべて終わっています。毛茶の段階で緑茶か烏龍茶かはもう決まっていて、そのまま飲むこともできます。ただし製品とは次の点で違います。

  • 茎、黄葉、古い葉、茶の実などが混じっている
  • 葉の大きさや長さがそろっていない
  • 香りに青臭さや雑味が残り、水分もやや多い
  • 作った日や畑ごとに味がばらつく

これを篩い分け、風選(ふうせん)揀梗(けんこう)(茎取り)で整え、焙火(ばいか)で水分を落として香りをまとめ、必要なら複数のロットを拼配(へいはい)して安定した製品にするのが精製(せいせい)です。

茶類ごとに、毛茶は乾燥の方法や茶類の名を頭に付けて呼び分けられます。

茶類毛茶の呼び方精製して何になるか
緑茶炒青毛茶、烘青毛茶、晒青毛茶(乾燥法で呼ぶ)眉茶や珠茶などの製品、花茶・再加工茶(かちゃ)の原料(茶坯(ちゃはい))
紅茶紅毛茶工夫紅茶、紅砕茶
烏龍茶毛茶茎を取った浄茶(じょうちゃ)、焙煎した濃香型
黒茶黒毛茶茯磚茶(ふくせんちゃ)千両茶(せんりょうちゃ)などの緊圧茶
普洱茶晒青毛茶普洱生茶(ぷーあるしょうちゃ)の餅茶・沱茶、普洱熟茶(ぷーあるじゅくちゃ)(渥堆の原料)

普洱茶の国家標準(GB/T 22111)は、雲南大葉種の葉を殺青・揉捻・天日乾燥した晒青茶(さいせいちゃ)を普洱茶の原料と定めています。生茶はこの晒青毛茶を蒸して固めたもの、熟茶は晒青毛茶を渥堆させたもので、どちらも出発点は同じ毛茶です。熟茶では渥堆を終えた段階の茶も毛茶と呼び、それを篩にかけて宮廷や特級(とっきゅう)といった等級に分けます。

取引の単位としての毛茶

多くの産地では、茶農は初製までを自分で行い、毛茶の状態で茶商や工場に売ります。雲南では村ごとの初製所や合作社が農家の生葉を集めて毛茶にし、茶廠がそれを買い集めて精製と緊圧を行います。安渓では農家が作った毛茶を茶商が買い、茎を取って焙煎し、自分の店の味に仕上げます。台湾でも、農家の毛茶を茶行が揀枝(けんし)(茎取り)と焙火(ばいか)で仕上げる形が長く続いてきました。茶改場の資料によれば、19世紀の台湾茶は福州や廈門へ運んで精製するのが普通で、1868年に台北の艋舺に精製工場ができてから島内で精製できるようになりました。

こうした分業のため、袋に印刷された生産者名は精製した側であることが多く、同じ農家の毛茶でも仕上げる店によって味が変わります。誰がどの工程を担うかは一杯の茶ができるまでに、誰が関わっているか。茶農・茶師・茶商・倉庫の分業にまとめています。

毛茶のまま売られる茶

普洱生茶では、緊圧する前の晒青毛茶をそのまま散茶として売ることがあります。作りたての花のような香りをそのまま楽しめる一方で、かさばり、空気に触れて劣化しやすいので、長く寝かせるなら緊圧した餅茶のほうが向くという考え方が一般的です。清香型の鉄観音のように、茎を残した毛茶と茎を取った浄茶を並べて売り、値段を分ける産地もあります。産地で農家から直接買う茶はたいてい毛茶で、「未完成」というより「仕上げの前」を指す言葉として使われています。

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