六大茶類
読み ろくだいちゃるい現地音 リウダーチャーレイ拼音 liùdàchálèi中国語 六大茶类別名 六大分類、六大茶类、六つの茶類、six tea types
中国茶を製法によって緑茶・白茶・黄茶・青茶・紅茶・黒茶の六つに分ける分類。1979年に安徽農学院の陳椽が体系化し、2014年に国家標準、2023年に国際規格として定められた。
中国茶の最も基本的な分類で、製法の違いによって緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の六つに分けます。茉莉花茶などの花茶・再加工茶はこの六つを原料にした再加工茶として別扱いです。
何で分けているのか
分類の軸は「製法」、とくにどの工程を経るかです。国家標準の茶葉分類(GB/T 30766)は各茶類を工程の組み合わせで定義しています。
| 分類 | 定義上の工程 | 分類を決める工程 |
|---|---|---|
| 緑茶 | 殺青・揉捻・乾燥 | 摘んですぐ殺青 |
| 白茶 | 萎凋・乾燥 | 萎凋のみで揉まない |
| 黄茶 | 殺青・揉捻・悶黄・乾燥 | 悶黄 |
| 青茶(烏龍茶) | 萎凋・做青・殺青・揉捻・乾燥 | 做青 |
| 紅茶 | 萎凋・揉捻・発酵・乾燥 | [fajiao] |
| 黒茶 | 殺青・揉捻・渥堆・乾燥 | [wodui] |
よく「発酵度の違いで分ける」と説明されますが、これは正確ではありません。発酵度で並べると白茶と黄茶のどちらが上か、といった意味のない疑問が生まれます。分類はあくまで工程の有無で決まり、酸化の程度はその結果にすぎません。
「発酵」という言葉
中国茶で発酵と呼ばれるものは二種類あります。白茶・烏龍茶・紅茶の発酵は葉の酵素による酸化で、微生物は関与しません。黒茶の渥堆だけが微生物による発酵です。同じ字で二つの意味があるため、読むときに注意が必要です。
誰がいつ決めたか
六大茶類の考え方は、安徽農学院の陳椽(ちん・てん)が1979年の論文「茶葉分類の理論と実際」で体系化しました。製法の系統性と、茶の色の変化(黄烷醇類の変化量)の順に並べたもので、緑・黄・黒・白・青・紅の順に生まれたという歴史的な順序も踏まえています。この分類は中国の茶学教育で標準となり、2014年に国家標準(GB/T 30766)として明文化されました。
2023年3月には国際標準化機構が茶の分類の国際規格(ISO 20715)を定め、緑茶・白茶・黄茶・烏龍茶・紅茶・黒茶の六つを基本茶類とする中国式の分類が世界の共通言語になりました。悶黄(yellowing)や渥堆(pile fermentation)といった中国語由来の工程名も、この規格で英語の用語として採用されています。
分類に収まらない茶
普洱生茶は殺青後に渥堆を経ずに熟成させるため、黒茶とも緑茶とも言い切れず、国際規格でも位置づけが明確にされていません。台湾では製法の分類と並行して「不発酵・部分発酵・全発酵」の三分類も公式に使われています。六大茶類はすべての茶を隙間なく分ける仕組みではなく、製法を理解するための地図と考えるのがよいです。
関連用語
この用語が出てくるページ
- 六大茶類は誰が作ったか。統購統銷から「科学で茶を評価する」時代までコラム
- 六大茶類の違いをざっくり理解するコラム
- 茶外茶用語
- 発酵用語
- 発酵度用語
- 悶黄用語
- 明前用語
- 四大茶区用語
- 渥堆用語
参考リンク
- GB/T 30766-2014 茶叶分类(国家標準) — 六大茶類と再加工茶の公式な定義
- ISO 20715:2023 Tea — Classification of tea types — 六大茶類を採用した国際規格
- 科普中国: 茶叶分类ISO国际标准是如何"出炉"的? — 国際規格の制定経緯と陳椽の分類法
- 消観茶論 第20回: 国家標準で定義された「六大分類」 — 国家標準の各茶類の定義の日本語訳と、発酵度による説明の誤り
- 消観茶論 第127回: お茶の分類と発酵度が結びついた理由 — 「発酵度の違い」という説明が広まった背景
- 消観茶論 第166回: ISOの国際規格『茶類の分類』の内容を考察 — ISO 20715 の構成と用語